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【研究紹介】△3三角型角交換向かい飛車を咎めよう!

4手目に△3三角とするタイプの向かい飛車への対策を解説します。

このタイプの向かい飛車を指される方は研究されているイメージがあるので、こちらも真正面から研究勝ちできるようになりましょう!

目次

基本図について

今回解説する基本図は、初期配置から▲2六歩△3四歩▲2五歩△3三角▲7六歩△2二飛▲3三角成△同桂▲6五角打△4五桂▲4八銀△5五角▲9八香△9九角成▲7八銀と進んだ下図の局面とします。

基本図

11手目▲4八銀 or ▲4八金の優劣

11手目をどちらにした方が有利に働くかを考えるために後の変化をいろいろとみていきました。その中で、この変化になった時に▲4八銀と指していた方が良いという変化があったので▲4八銀と指した方が勝っているという結論になりました。

それは基本図から△4二銀▲8三角成△5七桂成▲同銀(同金)△8八歩打と進んだ時の駒の位置を見れば分かります。

~11手目▲4八銀の場合~

4九の金が玉を守っているのに加えて5七の銀が前に進出できている

~11手目▲4八金の場合~

玉の周辺の駒が▲4八銀とした場合を比べて心もとないのに加えて3九の銀が立ち遅れている

このような変化があるので11手目は▲4八銀とします。もちろん相手の研究を外す意味で▲4八金もあると思いますが、以下の研究は▲4八銀の場合を解説します。

13手目▲9八香~▲7八銀は必要不可欠

13手目▲9八香~15手目▲7八銀は必ず指さなければいけない手になります。この手を知らないと△9九角成で香を取られてしまいます。もちろんこの手を指しても△9八馬と指されたら香はとられますが、この場合は馬の利きをそらすことができます。

基本的な方針

勝つためには、想定外の応手に対しても対応していかなければいけません。例えば、よく棋書などでこれにて先手良しと書かれている局面でも方針が分からなければ逆転されてしまいます。

このようなことがないように基本的な方針を抑えてから様々な変化を見ていくことにします。

どちらかの歩を取ろう

4三の歩が取れないなら8三の歩を取ろう!

8三の歩が取れないなら4三の歩を取ろう!

角も成れるので得です。

桂馬を取りに行こう

4五の桂馬は駒得のチャンスです。

積極的に取りに行こう!

馬を封じよう

基本図において9九にいる馬を封じれば相手の戦力を落とせます。

優先順位を考えよう

上記の方針の優先順位を抑えておきましょう。

優先度が高い順に、

4三の歩を取る > 8三の歩を取る > 4五の桂を取る = 馬を封じる

となります。

相手の対応に合わせて咎めよう

では、基本図からの変化を解説していきます。

基本図からの後手の候補手としては、

  • 8三の歩を守る手
  • 4三の歩を守る手
  • 香を取る手

があります。

基本図~8三の歩を守る手

まずは、8三の歩を守る手から対応を見ていきます。

△8二銀、△7二銀、△7二金が8三の歩を守る手ですが、△8二銀は壁銀の形になり△7二金も壁になるので、やってくるとすれば△7二銀だと思います。

では、△7二銀と指された場合の対処法を見ていきましょう。

この手に対しては、優先順位を考えて▲4三角成とします。

ここから、香を取る手、4三の馬に当てる手、玉を逃げる手があるのでそれぞれ見ていきます。

馬の利きがない内に…

では、▲9八馬と香を取られた場合を見ていきましょう。

馬の利きがなくなったので、ここは▲3三馬と指します。

この手は、後手の馬を9九や8八に行かさないことで働かないようにする意味があります。

以下△6二玉としてきた場合は、▲4六歩△2一飛▲4五歩と進めて桂得が確定します。

▲3三馬に対して△4二銀としてきた場合は、▲2二馬△同銀▲2一飛打△3一角打▲2四歩△同歩▲2三歩打が進行例で先手優勢です。

▲3三馬に対して△4二飛としてきた場合は、▲1一馬として香を取ります。後手は、馬の利きを軽減させるために△2二銀としてきますが、▲2一馬と逃げておいて次の▲4三香打や▲4六歩が残っているので十分です。

金 or 銀で馬に当てられたら…

では、局面戻って金か銀で4三の馬に当てられた場合を見ていきます。

4三の馬に当てる手としては△4二銀、△4二金、△5二金左、△3二金がありますが、△4二銀・△4二金と△5二金・△3二金で馬をどこに逃げるのかが変わってきます。

△4二銀・△4二金への対応

まずは、△4二銀・△4二金とされた場合の対応を解説します。

どちらの場合も対応は同じなので△4二銀の場合を見ていきます。

この場合は、▲6五馬とします。▲3四馬を避ける理由は後述します。

以下△6二玉なら▲4六歩で桂得になり、△9八馬なら▲6六馬△2一飛▲2四歩△同歩▲2二歩打△3一飛▲2四飛で次の歩成が受けられず後はト金を活用すればよくなります。

△5二金左・△3二金への対応

次に△5二金・△3二金とされた場合の対応を解説します。

どちらを指された場合も対応は同じなので、比較的指してきそうな△5二金の場合を見ていきます。

この場合は、▲3四馬とします。

以下、△6二玉や△9八馬の場合は▲4五馬で桂得になります。

よって後手は、△5五馬として桂を守りますが、▲3五馬を指して次の▲4六歩を狙います。

悠長にしていたら▲4六歩がくるので後手は、△3二飛として3七の地点に数を足します。この手には、▲4六馬として△同馬▲同歩△3七桂成▲同銀△3六歩▲4八銀△3七角と怖い攻めが飛んできますが、以下▲同桂△同歩成▲同銀△同飛成には▲1五角打があります。

馬の逃げ場所を変える理由

馬に当てられた場合の馬の逃げ場所が変わる理由は、上記の怖い攻めに対して▲1五角打が王手飛車になるのかにあります。

△4二銀・△4二金の場合は、▲1五角とした時に4二に駒があるため王手飛車になりません。よってこの変化を消すために馬は▲6五馬とします。

王手飛車にならない

△5二金左の場合は、上で説明した通り▲1五角打が王手飛車になるので▲3四馬として大丈夫です。

△3二金の場合は、飛車が3筋に回れないので激しい攻めを気にする必要がないので▲3四馬として大丈夫です。

飛車が3筋にいけない

飛車で馬に当てられたら…

局面戻って△4二飛として飛車で馬に当てられた場合を見ていきます。

この場合は、せっかく作った馬なので▲5六馬か▲3四馬として馬を逃がします。

馬の逃げ場所を変える理由で説明したように、△5五馬からの3七の地点への猛攻の際に王手飛車がかかれば▲3四馬としても大丈夫でした。今回の場合で考えれば、同じように進んだ時に4二の地点に駒がないので王手飛車を掛けることができます。

王手飛車を掛けることができる

よって▲3四馬と指します。

後手は、△9八馬や△6二玉とするくらいですが、▲4六歩から桂得が確定します。

桂得が確定している

玉を逃げた手には…

局面戻って△6二玉とされた場合を見ていきます。

この場合は方針に従って▲4六歩で桂取りを掛けます。

後手は、ただで桂馬を取られるわけにはいかないので△3七桂成としてきますが、▲同桂△4二銀▲6五馬と進めれば桂得になっています。

基本図~4三の歩を守る手

では、基本図に戻って4三の歩を守られた場合を解説します。

4三の歩を守る手は、さらに5三の歩に紐がついているかどうかで分けることができます。

  • 5三の歩に紐がついている → △4二銀、△4二金など
  • 5三の歩に紐がついていない → △4二飛
  • 軽く4三の歩を守る手 → △5四歩

5三の歩に紐がついていると…

まずは、5三の歩に紐がついている場合を見ていきます。

△4二銀や△4二金、△5二金左などがありますが、比較的指されることが多い△4二銀を代表してみていくことにします。

この手に対しては、優先順位を考えて▲8三角成とします。

ここから後手の攻め筋としては、「香を取ってから香と馬で8七の地点を狙う手」と「桂馬で歩を取ってから△8八歩打として桂馬を狙う手」があります。

香を使った攻めへの対応

△8九馬と指して香を補充された場合の指し方を見ていきます。

この手に対しては、馬を活用するために▲5六馬として桂に当てます。後手は、桂取りを受けずに△8五香打として8七の地点を破ろうとしてくるのが一つの攻めとしてあります。

以下▲6六馬として飛車に当てます。後手は、飛車を逃げるか紐をつけるくらいですが、△2一飛は▲2四歩△同歩▲2二歩打△3一飛▲2四飛で飛車成と歩成からの攻めがあり、△3二金は▲7七馬で8七の地点を守ることができて▲4六歩から桂を取ればいいので指しやすいです。

飛車を逃げても厳しい

上図から△8七香成も▲同銀△8九馬▲7八銀△9八馬▲9九香打で馬を取れます。

△8八歩打からの攻めへの対応

次に、△5七桂成からの攻めへの対応を見ていきます。

この手の狙いとしては、取った歩を△8八歩打として攻めに使うことにあります。

▲同銀△8八歩打と進みます。

桂馬を取られる訳にはいかないので▲7七桂として以下△2九歩成▲6五馬△8八と金▲6六馬と進みます。▲6五馬は▲6六馬を用意した手です。

ここで後手は先に△7八と金して銀を取らずに△3二金と飛車取りを受けてしまうと▲6五桂△2一飛▲4五桂打△6二銀▲2四歩△同歩▲2二歩打△同飛▲5三桂右成△同銀右▲同桂成△同銀▲3三銀打で先手指しやすいです。この変化の途中で△7八と金としてきても▲9九馬で要の馬を取ってしまえば相手の攻めが怖くないのでこちらも怖くないです。

よって桂馬を使われるのはまずいので、後手は先に△7八と金として銀を取ってきます。以下▲同金として後手は飛車取りを受けるために△3二金としてきます。△2一飛の時の変化は何度か説明した対応で大丈夫です。

ここで注目したいのが後手の攻めの要が馬であるということです。このことを考えて上図から▲8八金とします。後手としては、馬を閉じ込められただけで最悪金と交換にできるからいいかと考えて自陣に手を付けると思います。ですが、先手の狙いは▲6九玉~▲7九玉~▲8九金で馬を取ることにあります。下図は、上図から▲8八金△7二銀▲6九玉△2一飛▲6八玉△5二玉▲8九金と進んだ局面です。

△8九馬▲同玉として角と金を交換するしかないですが、先手は馬が残っており指しやすいです。

また、▲8八金の局面で馬を生還させるために△7九銀という手も考えられますが、以下▲7八金△9八馬▲7九金△9七馬▲8八金△6四馬▲6五銀打で馬を取れます。

5三の歩に紐がついていないと…

続いて、基本図から5三の歩に紐がついていない4三の歩を守る手を指された場合を見ていきます。

5三の歩に紐がついていない手としては、▲4二飛が良く指されるので解説します。

この手に対しては、▲8三角成とします。

この場合も後手の攻めは、「香を使う攻め」と「歩を使う攻め」に分けられます。

香を使った攻めへの対応

まずは、△9八馬から香を補充して攻めてきた場合の対応を見ています。

以下▲5六馬△8四香打▲4五馬△8七香成▲同銀△同馬までは定跡と言ってもいいと思います。

ここで▲3九銀が研究しておかないとなかなか指せない手です。

狙いとしては、▲8八香打で馬と桂の両取りを掛けることがあります。

▲3九銀に対して後手の応手は、△8二飛、△8八歩打、△8六馬が考えられます。

それぞれの対応を見ていきましょう。

~△8二飛と指された場合~

△8二飛に対しては、▲8八香打とします。

普通に数で負けてそうですが、△同馬▲同飛△同飛成▲3三角打で王手飛車を掛けることができます。

よって▲8八香打に対して後手は△6九馬として金と交換してきますが、▲同玉△8七歩打▲7五桂打△5四銀▲同馬△同歩▲8三歩打△6二飛▲8七香と進めば後手陣に傷が多いので先手指しやすいです。

上図から後手が何もしてこなければ、▲8二歩成△同銀▲5三銀打で飛車が逃げれば▲6三桂成からの一手詰めになります。

~△8八歩打と指された場合~

次に▲3九銀に対して▲8八歩打としてきた場合を見ていきます。

この手に対しては▲7八金から馬を追い返します。馬を取られる訳にはいかないので後手は△7六馬としますが▲2六飛として馬取りを継続します。

馬の逃げ場所はいろいろありますが、△5七馬を見せた△7五馬を指す方が多いと思います。

ここで冷静に▲7七桂として桂を逃がします。

次に後手が△8九歩成としてこなかった場合は、▲8七香打とすれば歩で間駒ができないので8筋を突破することができます。

よって上図から後手は△8九歩成としてきます。先手は▲6三角成としたいですが、△8二飛から飛車を活用されるので△8九歩成に対しては一旦▲8四歩として歩を垂らします。

以下△同馬に対しては▲8五香打、△8二歩打に対しては飛車周りが消えたので▲6三馬として△7二銀▲9六馬△5七馬▲5八香打△3五馬▲3六飛△4四馬▲6五桂△6二金▲8六馬と5三の地点を集中的に攻めれば優勢になります。

~△8六馬と指された場合~

続いて▲3九銀に対して△8六馬と指された場合を見ていきます。

王手なので金で守るか玉を逃げるかですが、この場合は左辺が戦場になりそうなので玉を逃げる方が良い手です。よって▲6八玉とします。

後手は△8二飛として飛車を活用してきますが、▲5六馬することで後の▲8三香打や▲8三歩打を用意しておきます。

よって後手は飛車先を止められると攻めが細くなるので△8五飛として先に飛車を脱出させてきます。△8四飛も考えられそうですが、▲6六馬として飛車に当てられて結局△8五飛とすることになるので△8五飛としてきます。△8五飛に対して▲6六馬が必須の一手になります。

▲6六馬の意味は、△7六馬~△8八歩打の攻めを防いでいることにあります。例えば▲1六歩△7六馬▲7九金△8八歩打が厳しく後手優勢になってしまいます。よって▲6六馬と指します。

以下△5五銀には▲8八馬△8七馬▲同馬△同飛成▲3三角打△5二玉▲5五角成△8九飛成▲7八銀打で▲2四歩からの攻めと▲1一馬から攻めが残っているので先手優勢です。

△5五銀にかえて△8七馬なら▲7九金△8八歩打▲7七桂△8六飛で後手の攻めが重いので▲2四歩からの攻めが間に合います。

一例としては、▲2四歩△同歩▲同飛△2二歩打▲6五桂△6二銀▲3三桂打△4二金▲2一桂成で先手勝勢です。

歩を使った攻めへの対応

次に△5三桂成からの攻めの対応を解説します。

▲同銀△8八歩と進んで後手は桂馬を取りに来ました。

▲7七桂△8九歩成と進んでと金が怖そうに見えますが▲5四歩が好手になります。

△同歩は▲5三桂打で金の両取りです。

なので△同歩はやりにくいので△6二銀としてきますが▲4五桂打△5四歩▲3三桂成として飛車をいじめれば先手優勢です。

△6二銀にかえて△7二銀も▲同馬△同飛▲5三歩成△8八と金▲5五桂打で▲4三桂からの詰めろを掛けて先手優勢です。

△5二金左とするくらいですが▲5四歩打として支えておけば後の▲6三桂成が厳しく先手が勝ちやすいです。

よって5三の歩に紐がついていない場合の△8八歩打からの攻めは成立していないことが分かります。

軽く4三の歩を守られると…

では次に基本図から△5四歩として軽く▲4三角成を受けられた場合を見ていきます。

「大駒は近づけて受けよ」の格言通りの手ですね。

この手に対しては、歩を取ってしまうと△5二金左とされて攻めが繋がりません。よって▲8三角成とします。

後手は香を使った攻めと歩を使った攻めがあることを他の変化でみてきましたが、今回の場合は、先手に桂馬を渡すと▲5三桂打が痛いです。よって香を使った攻めへの対応を見ていきます。

香を使った攻めへの対応

後手は、香を補充するために△9八馬としてきます。

以下他の変化と同じように▲5六馬△8五香打▲4五馬△8七香成▲同銀△同馬と進みます。

ここで▲3九銀とするのが他の変化では解説しましたがこの場合は▲8四歩打の方が勝ります。

~▲8四歩打の方が勝る理由~

▲8四歩打の方が勝る理由としては、上図から▲3九銀△8二飛▲8八香打△同馬▲同飛△同飛成▲3三角打△4二銀▲8八角成△8五飛打と進んだ局面を見れば分かります。

上図の局面で両取りを受けるために▲5五馬寄としたいですが5四の歩がいるのでできません。

上図は△5四歩と軽く受ける手にかえて△4二飛と受けた場合で同じ変化になった時の局面になります。5四に歩がいないので▲5五馬寄と出来て両取りを受けることができています。

よって△5四歩と指された場合は▲3九銀がそこまで良い手にはならないので▲8四歩打と指します。

この手の意味としては後手の△8八飛を消すことです。もし△8八飛としてくれば▲8三香打が厳しいです。

~△8二歩打と指された場合~

よって後手は他の手を指してくるわけですが、平凡に▲8三歩成を受ける△8二歩打では▲5四馬△5二金左▲5六香打△6二玉に対して▲8三桂打が好手で以下△同歩▲同歩成と進んだ局面は▲8二歩打からの攻めを見て先手指しやすいです。

~△7八銀打と指された場合~

また、▲8四歩打に対して△7八銀打と攻め合ってきた場合は冷静に▲6八金としておいて△8九銀▲6六歩で銀を働かなくすることができます。

上図から銀取りを受けるために△8八馬とすれば▲5三桂打で金の両取りを掛けることができます。この桂打ちは△8六馬と引かれて王手桂取りを掛けられなければ成立します。

~△8八歩打と指された場合~

次に▲8四歩打に対して△8八歩打としてきた場合は、後手の飛車が8筋に来る変化を▲8四歩打で防いでいるので▲3九銀とします。

△8九歩成とするくらいですが▲8三歩成としておきます。

上図の局面は評価値上は五角ですが、玉を逃げてからの▲5三桂打や歩を補充して後手の飛車の利きが消えてからの▲8二歩打などがあり指しやすいです。

基本図~香を取る手

では最後に基本図から△8九馬と香を取られた場合を解説していきます。

この手に対しては、優先順位を考えて▲4三角成と指します。

ここからの後手の対応としては、「玉を逃げる手」「先手の馬に当てる手」「9八の馬の働きをよくする手」が考えられます。

玉を逃げると…

まずは玉を逃げる△6二玉と指された場合を見ていきます。

ここで重要になるのが後手の攻めの要である馬を活用させないことです。

よって馬の活用を防ぎながら桂馬取りを掛けられる▲4四馬とします。

後手は何もしないと桂馬を取られるので△4二香打や△4二飛、△5七桂成が考えられます。

それぞれの手への対応を見ていきます。

△4二香打への対応

△4二香打とされた場合は、△5三桂成▲同銀△4七香成を受ける為に▲6六馬とします。

以下△5七桂成▲同馬として後手は馬を活用するために△8八馬とするくらいですが▲6六歩として馬を閉じ込めます。

後は▲7九金△9九馬▲7七銀で馬を封じ込めれば先手優勢です。

△4二飛への対応

△4二飛とされた場合は、▲1一馬とします。

以下気になる手としては、△5七桂と△2二銀があります。

~△5七桂と指された場合~

△5七桂と指された場合は、▲同銀△4七飛成▲5八金右△4二龍▲4八香打△4三歩打で後手の龍や馬の働きが悪く先手優勢です。

~△2二銀と指された場合~

△2二銀と馬の利きを止められた場合は、▲2一馬として後手は次の▲4三香打を受ける為に△5二金とするくらいですが▲4六歩で桂を取りに行って先手優勢です。

△5七桂成への対応

△4二香打~△5七桂成の攻めで手順前後した場合がこちらの変化になります。

△5七桂成を先に指してきた場合は、以下▲同銀△4二香打に▲5四桂打があります。

△7二玉とするくらいですが、▲4二桂成△同金▲9九香打で馬を確保できます。

馬に駒を当てられたら…

続いて4三の馬に駒を当てられた場合を見ていきます。

△4二金、△4二銀などが考えられますが、これらの場合は▲4四馬とひいておいてゆっくりと4五の桂を取れば優勢になるので△4二飛の場合を見ていきます。

これまでは、▲4四馬と引けましたが飛車の利きがあるので▲3三馬か▲3四馬が候補手として考えられます。ここで考えたいのは、後手の馬を活用できないようにすることです。よって▲3三馬とします。

以下△2二銀▲6六馬と進めます。

ここで後手は△8八香打で攻めを繋いできますが、冷静に▲7七桂として以下△8九香成▲同銀△同馬▲4四香打で飛車取りと金取りが厳しいです。

よって△8八香打は受け止められるので△3二金とするくらいですが、▲4六歩から桂馬取りを見せて先手指しやすいです。

9八の馬を活用してきたら…

では最後に9八の馬を活用する手を指してきた場合を解説します。

後手の馬を活用する手としては△9九馬と△8八馬がありますが、△9九馬の場合は▲7七桂と指した時に△9七馬がすぐにないのに比べて、△8八馬の場合は▲7七桂に△9七馬から馬を生還することができます。

よって△8八馬と指された場合の対応を見ていきます。

▲7七桂は△9七馬から歩を取って馬を自陣に引き付けられるのが少し嫌なので、▲4六歩から桂取りにいって駒得を優先します。

これに対して後手は、馬を活用するために△8八馬としたのだから▲7七桂とされて閉じ込められると嫌だと考えると思うので△5五馬としてきます。

以下▲4五歩に対して後手は拠点になりそうな歩を除く意味で△同歩としてきますが▲5三馬とします。

▲4三桂打からの一手詰めなので、後手はそれを受けなければいけません。

よって、玉の逃げ道を作りながら一手詰めを受ける△6二金が最善手になりますが、まずは直接的に▲4三桂打を受ける手である△4二銀に対する応手を見ていきます。

△4二銀への対応

△4二銀に対しては、▲4三桂打として後手は△同銀と取るしかありませんが▲同馬△3二金▲4四歩打△4二歩打▲3二馬△同飛▲2四歩△2七香打▲同飛△同馬▲3二銀が一例で先手優勢です。

ここから怖い筋としては、△4九馬▲同玉△4六桂打があります。

ここは冷静に▲3一銀としておいて以下△3八金打▲5九玉△4八金▲同玉△3八飛▲4七玉△4五銀で△5八角打からの詰めろを掛けられますが、実は後手玉は詰んでいます。

上図から▲4二銀△6二玉に対して▲8二飛打が好手です。△同銀とするくらいですが、▲5三角打△7二玉▲6二金△同玉▲5三金打△7二玉▲6二金打で先手の勝利です。

△6二金への対応

△6二金に対しては、▲4三馬として後手玉にプレッシャーを与え続けます。後手は馬を退かさないと玉を囲えないので△4二銀としてきますが▲6五馬と引いておきます。

以下▲5四桂打があるので△5四歩打などで受けてきますが、以下▲4七銀△4四馬▲5六銀△8二銀▲4八飛が一例で右四間飛車のような陣形を築いて先手が指しやすいです。

最後に

今回は4手目3三角型の向かい飛車に対する研究を紹介しました。

これで序盤を有利に進めて勝ち切りましょう!

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