今回は、4五桂急戦における3八銀型の基本図について考えていきます。
3八銀型▲4五桂急戦とは
3八銀型▲4五桂急戦とは、銀を3八に上がった状態で桂馬を跳ねて速攻を仕掛ける戦法です。
下図の先手番の戦法になります。
3八銀型は攻撃特化
3八銀型は4八銀型と比べるとより攻撃に特化している印象を受けます。その理由は、後手の陣形に関わらず五角以上に戦える点にあります。4八銀型の場合は5三の地点の利きが三つあれば諦めますが、3八銀型の場合は成立することがあります。このように相手の陣形に関わらず手に乗って指していけば手になります。なにより指していて楽しいです。
駒組の意味を考えよう!
なぜこのような陣形になっているのか。それを知ることが戦法を理解する近道になります。
では、手の意味について解説していきます。
▲6八玉と指す理由
まずは、先手の駒組について考えていきます。
4八銀型だと居玉ですが、3八銀型は▲6八玉と指されています。この理由は、攻めていった時に分かります。以下は、上記の盤面から△6三銀▲3五歩△同歩▲4五桂△2二銀▲2四歩△同歩▲同飛と進んだ局面です。▲3五歩からの攻めは、▲3三歩を見ていたり飛車の横利きを通したりする攻めの幅を持たせるために必要な一手でよく出てきます。
この時、居玉のままだった場合どんなことが起こるでしょうか。
そうです、▲1五角が激痛です。
これを回避するために▲6八玉は除くことはできない手になります。
▲6八玉にかえて▲1六歩と突いておく手も意味合いとしては同じですが今回は触れないでおきます。
▲6九金で保留する理由
私は、3八銀型の4五桂急戦をする際は▲6九金のままでせめて行きます。そちらのメリットの方が大きいと思ったからです。
そのメリットをまとめると
- ▲7八金と上がるより一手早く攻めることができる
- 飛車を切った時に低い構えを取ることができ飛車の打ち込みに強くなる
デメリットとしては
- ~▲3四飛△2五角となった時に▲6九金を取られて守りが弱くなる
- 上からの攻めに弱くなる
が挙げられます。
角と金の交換はこのような場合は歓迎ですし(場合によっては怖い)、上からの攻めは、攻めが来る前に攻めることで解決できます。
よって、▲7八金と上がらない方が良いと判断しています。
3八銀型と4八銀型の相違点
4八銀型▲4五桂急戦
3八銀型▲4五桂急戦
3八銀型の方が後手に一手多く指される
これは、メリットかデメリットかで考えると一長一短あると思います。
3八銀型の盤面において後手は4八銀型と比較した時何か一手指す訳ですが、▲4五桂が見えているのでそれを警戒した手を指すのが普通です。候補手としては、△7四歩、△6三銀、△5二金などが挙げられます。これらの手はそれぞれ次のような影響があると考えられます。
後手から見て
- △7四歩 → 飛車のこびんが怖くなる+▲3五歩からの攻めで△6四歩→△7四歩と飛車で取られる可能性がある
- △6三銀 → 5三の利きが玉しかなくなる
- △5二金 → △6二金・△8一飛型に組むためにはこの手が余分になる
先手から見て
- △7四歩 → △7三桂から桂馬の活用が見えているので攻められる前に攻める必要がある
- △6三銀 → △6四歩が守られるので▲3五歩からの攻めで飛車の横への可動域が狭くなる
- △5二金 → 5三の利きが三枚になるので守りが固くなり攻めが難しくなる
これらの影響をどう見るかによって4八銀型の方がいいと思うか3八銀型の方がいいと思うか変わってくると思います。
玉・銀の位置が違う
4八銀型の場合は居玉で3八銀型の場合は▲6八玉です。これは、「なぜ▲6八玉と指す必要があるのか」でも説明した通り△1五角が王手飛車になるかどうかが関係しています。3八銀型の場合は、居玉の際、王手飛車を食らう筋が出てきますが、4八銀型の場合は銀がいるので居玉でも王手飛車を食らいません。
金銀の連結については、3八銀型の方がいい形をしています。また、飛車の打ち込みにより強い陣形をしています。
不成立条件について
成立条件については、先手の駒組はそのままで方針が分かりやすく攻めることができているかで私が判断したものをまとめたいと思います。
では、いくつか成立していない局面を見ることでどういう局面なら成立するのかを考えます。
桂馬の活用を急がれた場合
先手は同じように駒組をしましたが、後手は桂馬の活用を急いでいます。ここで後手から△6五桂と跳ねられることで後手の攻めが繋がってしまいます。
この局面から先手は銀を逃げたいのですが、逃げると△8六歩から崩されてしまいます。また、4五桂急戦の意味がなくなってしまうので、後手に桂馬を活用させてしまった時点で成立していないと見た方が良さそうです。
△5四銀を急がれた場合
盤面は後手が飛車先の歩を突かずに△5四銀と銀の進出を急いで駒組をしてきたものです。
ここから▲3五歩△同歩▲4五桂と進むとここで△同銀という手が生じてしまっています。
この手があるからと言って形勢が大きく後手に振れるという訳ではありませんが、△5五角が見えているのであまり気持ちのいいものではないです。また、4五桂急戦の急所である桂馬がこのタイミングで取られるのは個人的に好きではありません。攻める展開を望むならこの変化は避けるべきだと思います。
飛車先保留で銀を繰り出された場合
4五桂急戦をかなり警戒した駒組になっていますね。5三の地点は3枚の利きがあり△7四歩も銀が邪魔をして取れそうもなく攻めが分かりにくいです。後手も飛車先を保留しているのですぐの攻めはなさそうですが、先手はこれ以上変形させたくないので(一筋の端歩を突きあえば攻めれそうですが)4五桂急戦はできなさそうです。
成立条件について
さて、ここまで不成立条件についてみてきました。では、そこから読み解ける成立条件について考えていきます。前回まとめた4八銀型の場合の成立条件も適応できると思うので、それ以外の成立条件をまとめます。
△6四歩or△7四歩が浮いているか
上記のような局面になった時に飛車で▲6四歩を取ることができます。これは、攻めをつなげることができるかの一つの指標になっていると思います。
先に攻めることができるか
不成立条件で述べたように、先に攻められると4五桂急戦は失敗だと思います。なので先に桂馬を活用できれば大体の場合成立しています。
最後に
今回は、3八銀型4五桂急戦についてみてまとめてみました。成立条件については、正直△6四歩△7四歩が浮いていなくても成立している時があるので何とも言えないです。攻めの幅を広げる意味でも浮いていた方が良いのは感覚であるので、私は、それらの歩が浮いていたら攻めるようにしています。もちろん4八銀型の時の成立条件も成立すると思うので前回まとめたものも見ていただければ幸いです。
次回は、右玉対策としての3八銀型4五桂急戦をまとめていきたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。